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No.15「BOSS用 ACA-PSA 変換アダプター」




まぁ今さらなんですけれども、BOSS社の古いエフェクターのアダプターはACA-100対応ですね。
それをPSA-100に対応させる為の一般的な方法は、

「PSA-100対応のエフェクターを併用する」か「改造する」かです。

理由は後述しますが、ACA-100対応のエフェクターに1台でもPSA-100対応のエフェクターを併用して繋げば
全てがPSA-100対応のエフェクターになります。(PSA-100対応のエフェクターはOFFのままでも構いません。)



つまり、PSA-100対応のデジタル・ディレイなどを使う人は何も気にすることなく昔のエフェクターを使えますし、
ACA-100対応のエフェクターを1台だけ使う人は乾電池かACA-100アダプターを使えば済むわけですが、
どうやら乾電池は嫌で、ACA-100アダプターもわざわざ買いたくない、と思う人は多いようで
ACA-100対応のエフェクターをPSA-100に対応させるべく改造する人を多く見かけます。



しかしですね・・・


私のようなDS-1フリークは、せっかくのヴィンテージ・エフェクターはなるべく改造したくないのです。

オリジナルのままで保存したいんです。


そこで・・・


このような「BOSS用 ACA-PSA 変換アダプター」を製作しました。

この変換アダプターを使えば、
エフェクター本体を改造することなく、ACA-100対応のエフェクターがPSA-100対応になります。



また、PSA-100対応のエフェクターを併用する場合は厳密にはバッファ回路は残ってしまいますので
もしACA-100対応のエフェクターを単体で使う場合でバッファの有無にこだわる場合にはこのアダプターは有効です。



製作は簡単です。

2.1mmのDCプラグ、DCジャック、内径7mmの平ワッシャーがあれば出来ます。





このように平ワッシャーにシールドを通して接続するだけです。





あとは普通にPSA-100のアダプターを使用するだけです。





原理を説明します。

まず、ACA-100対応のエフェクターはエフェクターの内部で電圧を下げているわけではないのです。



ACA-100対応エフェクターの各電圧はこのようになっています。(値は実測値です。環境により変動します。)



ACA-100対応のエフェクター(旧BOSS)のDCジャックのマイナス端子を0Vとすると
ACA-100対応のエフェクターのGNDは、0Vではありません。

1S2473 or 1S1588(機種によって異なる)と、180Ω or 330Ω or 470Ω(機種によって異なる)によって
GNDの電位が数V上げられていて、基板ではこの「数V上げられた電位」をGNDということにしています。

(「仮想0V」もしくは「仮想GND」と言えます。)

ACA-100アダプターの電圧は無負荷の状態で12Vちょい〜13V程度あります。
(接続するエフェクターや、各家庭のコンセントによっても変動します。)

このアダプターのマイナスを基準にすると、
手持ちのACA-100対応Japan製DS-1(1S2473+470Ωによる仮想GND版)の各電圧は

・DCジャックのマイナス端子=実測0V
・DCジャックのプラス端子=実測12.38V
・INPUT、OUTPUTジャックのGND端子、シャーシ(ケース)、基板上の仮想GND=実測2.95V
・Vcc=実測12.38V
・基板上の仮想GNDとVccの電位差=実測9.43V

になります。

すなわち、底上げされた電位である2.95Vを仮想GNDということで0Vとみなしているから
エフェクターのVccの電位が約9Vとみなされて動作するわけです。

バイアスをかけている状態ですね。

では、このACA-100対応のエフェクターとPSA-100対応のエフェクターを混ぜて繋いで使ったらどうなるか?

PSA-100対応のエフェクターはアダプターのマイナス(=DCジャックのマイナス端子)を0Vとすると
基板上のGNDもそのまま0Vなので、アダプターのDCジャックとINPUT、OUTPUTジャックのGND端子が共用なら
各エフェクターのON/OFFとは関係なくACA-100仕様の1S2473+470Ω等の両端がショートされた状態になり、
ACA-100対応エフェクター内部における1S2473+470Ω等の処置自体が無かったことになります。

バイアスがキャンセルされてしまうわけです。

なので、ACA-100対応のエフェクターをPSA-100対応のエフェクターと混ぜて繋いで使う場合には
PSA-100アダプターを共用で使えば問題がないということになるわけです。

逆にACA-100アダプターを共用で使うと、9V用の機器に12〜13Vのアダプターを使っている状態になりますので
アダプターを間違えないように注意しましょう。



つまり、エフェクター本体を改造しなくても、基板上の仮想0Vをアダプターの0Vとショートさせればよいので
DCプラグのGNDとジャックのGNDをショートさせればOKなのです。


もし、これからACA対応のエフェクターを改造しようと思っている方は今一度考えてみて下さい。
稀少なヴィンテージ・エフェクターです。オリジナルのままの方が良いと思いませんか?

2019.12.25

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